『サルとヒトのエソロジー』 内容紹介文
エソロジー(比較行動学)は、動物と人間を対象とした行動研究、発達研究、および文化比較研究において大きく発展してきた。また、動物と人間の行動を基本的に同じ方法で研究することができるため、その行動を相互に、しかも直接、比較検討できることも実証された。今日ではその対象領域は、動物行動から霊長類の行動、健常児の行動、さらには障害児の行動まで急速に拡大している。
本書は、この比較行動学研究の多様な発展の状況を追跡するために、サル類と人間に関連する研究を、単に総説としてではなく、研究者各自の具体的な研究テーマやデータに即してできるだけ平易に表現し、比較行動学の今日の現状を学部学生や大学院生などにも理解できるようにまとめられたものである。
[主要目次]
序、比較行動学について(糸魚川直祐) 
第1部 サル  
1、社会的グルーミングの構造と機能(安藤明人) 
2、メスのフォロワーシップ(小山高正) 
3、近接関係に基づく集団の構造(渡邊義雄) 
4、集団の分裂と融合(中道正之) 
5、夜間とまり場における個体関係(清水聡) 
6、社会的順位と遊び行動(小山幸子) 
7、群れ落ちするオスを追跡する(今川真治) 
8、ニホンザルによる棒の道具的使用(待田昌ニ) 
9、霊長類の系列学習(大芝宣昭) 
第2部 サルとヒト 
10、サルもヒトを観察する(南徹弘) 
11、離乳と子の自立(根ヶ山光一) 
12、親子間のアタッチメント(近藤清美) 
13、左右差の行動学(武田庄平) 
第3部 ヒト  
14、低出生体重児の母親行動(鎌田次郎) 
15、超低出生児の行動評定(金澤忠博) 
16、対人関係と表情表出(米谷淳) 
17、知覚は変化する(中谷勝哉)