『遺伝と環境』 内容紹介文
「遺伝」という概念について、現代の人々が思い浮かべるのは、DNAやバイオテクノロジー等の分子生物学レベルの研究であろう。人間行動遺伝学は、「遺伝」を分子レベルでとらえるのではなく、社会システムの中で現れる行動レベルでとらえ、その影響を見ようとするものである。つまり、認知能力、IQ、パーソナリティ、分裂病等における個人差について、どの程度まで遺伝的要因が関与し、どの程度までが環境の影響であるのかを、双生児研究等により実証的に検証する。
本書は、アメリカにおける行動遺伝学の中心的存在である著者によって著された行動遺伝学の入門書である。易しく読み物的な語調で記述が進められており、初歩的な統計の解説も章末に掲載されているので、行動遺伝学に関係する心理学、教育学、哲学、言語学、社会学、精神医学、公衆衛生学を学ぶ人々にとって興味深い書である。
(原著:R.Plomin , Nature and Nuture; An Introduction to Human Behavioral Genetics)
[主要目次]
Ⅰ、人間にはなぜ違いがあるのか 
1、個人差と集団差 
2、挑戦 
Ⅱ、遺伝子はどのようにして行動に影響を与えるのか 
1、DNA 
2、遺伝的影響と行動 
Ⅲ、行動に対する遺伝的な影響はどのようにして見つけられるのか 
1、量的遺伝学の理論 
2、動物研究を利用した行動遺伝的方法 
3、人間行動遺伝学の方法 
Ⅳ、遺伝はどのくらい行動に影響を及ぼすのか 
1、認知能力 
2、パーソナリティ 
3、精神病理 
4、非行と犯罪 
5、アルコール依存症 
Ⅴ、環境と遺伝はどのように重要性をもつのか 
1、環境の重要性 
2、非共有環境ならびに共有環境の影響 
3、環境の中の遺伝