第100回 (2003/06/30)
「人生には、たった一つの無駄もない。」

 ある日、前後不覚なほど酔った私の視界にこの言葉が飛び込んで来たようでした。と言うのも、それを見たのは電車の中だったのだと思うのですが、中吊り広告だったのか、それとも誰かが読んでいた本だったのか、はたまた自分が雑誌か新聞でも読んでいたのか、全く記憶がありません。それでも私はこの言葉を携帯電話から自分のメールに送っていました。次の日そのメールを開いて、再度この言葉に出会いました。

 その頃の私は、言うなれば絶不調な日々を過ごしていました。仕事もプライベートも全然ダメというわけではないのだけれど何となく上手くいかなく、自分の伝えたいことを上手く言葉にできなくなっているような恐怖心にとらわれて、ごく数人の仲のいい人としか話せないような、そんな状態でした。今までの人生を後悔したり、これからの人生を憂いて怯えてばかりでした。
 その状況は、今まで、自分のために何が必要で何がいらないかなんていう冷静な取捨選択が全くしてこなくて、そのときやりたいことだけを最優先にしてきたツケだと思っていました。

 でも、この言葉をみて、それでもいいんだよ と言われた気がしました。私が今までしてきたことに、無駄なことは一つも無い。そう思えるだけで、とても楽になりました。もしこの言葉に出会うことが出来なかったら、私は今この瞬間も一人で頭を抱えていたかもしれません。活字は、時に人の心を楽にすることがあるのです。

 さて、丸2年続いたこのコラムですが、ちょうど100回というこのときを迎えて暫くお休みを戴くこととなりました。お楽しみいただくことができたでしょうか。
 このコラムを通して、無駄ではない本、無駄ではない言葉に出会うことができた方がいらっしゃるとしたら、とても幸せに思います。

 陳腐ではありますが、名言集を揚げて、このコラムを終わりにしたいと思います。
 今までありがとうございました。違った形となるかもしれませんが、また皆様にお会いできる日が来ることを願っています。

「人生に関する439の名言 」
神辺四郎 (編集)
双葉社
ISBN4-575-15239-0

(ruki)
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第99回 (2003/06/23)

本がないと生活できない体質の私は、朝夕の電車での時間つぶしに2日に1度は本を買っています。
買うのはほとんどが文庫で、生活費の一部と考えれば金額的な負担はそれほど気になることはありません。
しかし、都会での一人暮らしの悲しさ、大量の本を置けるほど部屋が広いわけもなく、そうなってくるとあふれ出した本の始末を考える必要がでてくるわけです。
始末と言っても結局は捨てるのも忍びないため、ほしいという友人には譲り渡して、残りは古書店のお世話になることに。
幸いにして家の近くに昔ながらの古本屋があり、大量の本を持ち込む手間もそれほどではありません。
毎回紙袋2つ分ぐらいを持ち込み、会計を待っている間狭い店内で時間をつぶすわけですが、気が付くと何冊かを本棚から持ち出しており、貰う金より払う金の方が多いのもこれまた毎回のこととなります。

このように、私にとっては大変便利で無くてはならない古書店ですが、出版社や著者の間では最近頭の痛い問題となっています。
彼らの言い分によると、大型のチェーン店、いわゆる「新古書店」の台頭に伴って、新刊に限りなく近い本が大量に古本として流通し、それによって既存店の売り上げが減少しているとのこと。
さらには、古本の売買で著作権料が出版業界に全く入ってこないことも問題視しています。
この現象はコミックス業界でさらに顕著で、「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」が大々的にアピール広告を各雑誌に掲載したため、ご承知の方も多いと思います。
また日本ペンクラブでも同様の声明を発表しています。

消費者の立場から見れば、「新古書店」は便利でこそあれ、デメリットは全く感じられないと思いますが、それによって出版業界が先細りしていくとすれば、これはなかなか難しい問題を含んでいます。
これについては、「新古書店」側で「利益の一部を出版社に還元する」という話も出てはいますが、まだ具体的な物にはなっていないようです。
現在の処はお互い主張を述べるに留まっているようで、なるべく早く話し合いの場を設け、消費者も含め、全ての関係者にとってより良い結果が出ることを一人の本好きとして願わずにはいられません。

(わんたん)
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第98回 (2003/06/16)

昨日は、父の日。
みなさん、お父さんにプレゼントを贈りましたか?
私は子供の頃、タバコ1箱を贈りました。
チープな印象ですが、小遣いが僅かな時代ですので、 奮発した記憶があります。
また、親からもらった小遣いでプレゼントを贈ることに、
気恥ずかしさも感じていました。
逆に、親からのプレゼントは堂々と受け取りました。
本では、子供向けの世界文学全集をもらいました。
教育の一環ということもあったのでしょうが、 定期的に送られてくる本を楽しみにしていました。
「宝島」を読んだ後は、裏山へ宝探しに出かけ、
「ニルスの不思議な旅」を読んだ後は、ニワトリを追い回し、
(アヒルがいなかったので、代わりに)
「山椒大夫」を読んだ後は、いつか連れて行かれるのではと 心配して布団の中でシクシク泣き、 随分のめり込みました。
今でも帰省したとき、懐かしんで読むことがあります。

ところで、「今は父の日に何か贈っているのか」につきましては、
来年こそは贈るように善処いたします。ハイ。

(きしも)
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第97回 (2003/06/09)
 5月のことになるが、国税庁から高額納税者番付が発表されていた。
 作家部門では純文学や歴史もののメジャーな作家の名が散見されるものの、やはりというべきか西村京太郎や内田康夫、それから赤川次郎などミステリ作家陣お馴染みの名前が目立っている。相変わらずミステリというジャンルは人気があるのだなと再認識させられたトップ10である。
 そんなランキングの10位は今回初登場の作家だ。ファンタジー作家が高額納税者番付にランクインしているのである。最近のファンタジーといえば外国作品の話題が多かっただけに、なおさら感慨深いものがある。

■十二国記 シリーズ
 小野不由美 講談社文庫

 11年間続いている異世界大河冒険ファンタジーである本シリーズは、ファンタジー好きには名の知れた作品だ。中国風の世界観を背景に十二人の王と麒麟が治める十二の国の物語である。
 ファンタジーといえば中世ヨーロッパ風の、剣と魔法の世界を連想される向きには新鮮に映るだろう。十二国記シリーズでも剣と魔法的要素はあるが、それにも増して特徴的なのが「王とは何か、国とは何か」ということに物語の大きなウエイトを占めていることである。若い世代を中心に、意外と広い年齢層に読まれているらしい。
 この度のランクインは、NHKでアニメ化されたために人気がブレイクしたもののようだ。日本のお家芸であるアニメでは『千と千尋の神隠し』などのファンタジー作品が外国でも高い評価を受けている。高額納税者の減少などであまり景気のよくない話題の多い中だからこそ、エンターテイメント分野の更なる発展に期待したいところである。

(iyasaka)
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第96回 (2003/06/02)
図書館に行きました。
何年ぶりだろう・・・。大学受験の時、勉強場所として使った記憶、実際にそこで本は借りなかった。
「学校の授業でジャガイモを栽培するから本で調べたい。」と言う娘に引かれ区の図書館へ行きました。
ちょっとした調べ物など、図書館って便利ですよね。
当然ながら、本多さに驚き。また、人の多さにも驚き。結構いるんですね、利用者が。
同施設内には木工、絵画などの個展もやってる。(素人のかたの趣味の世界ですが、すばらしい。)
本以外にも、CDや雑誌、紙芝居、それとキルティングの、なんていうのでしょう、パネルシアターと言うのでしょうか?(手作りのものです。)いろいろなものがあるんですね。
目的のジャガイモに関する本を1冊と試しに紙芝居を借りてみました。
借りるところもコンピューター化(当然ですか。)され、貸し出しカードも本もバーコード。
本の検索、貸し出し状況もそこの専用機や自宅のパソコンでインターネット経由でできるようです。
当「本屋でござ~る」のような、ネット販売~宅配もだいぶ定着してきましたが、実際に行ってみて、いろいろなものとふれあえる図書館。これもまた違った意味で良いもんですね。
(アントニオ)
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第95回 (2003/05/26)
「雨の時には」
 
そろそろ梅雨の時期がやってくる。
雨がうっとうしい時期だが、私の姪達などはむしろ喜んでいる。
私自身の記憶にも残っているが、歌にも「ピッチピッチ、チャップチャップ、ランランラン♪」などとあるように、小さい頃は雨の日に長靴をはいて外を歩くのが楽しくてならなかった。
色々な色の傘がくるくると回っていたり、晴れた日にはなにもないのに雨の日になるとカエルが鳴きだしたりして、いつもと違うことが楽しめたからであろうか。
 
大人になった今では、雨の日に長靴をはいて喜ぶなどということはなくなってしまったが、雨の日には「どうせ雨で外に出るのがいやなのだから」と、家にある本を片っ端から読んでいる。
そうすると、昔買って、存在すらすっかり忘れていた本なども見つかったりして、時がたつのも忘れて読みふけってしまい、気づけば翌朝などということも珍しくはない。
仕事についている方は仕事のある日には本などなかなか読めないであろうから、仕事帰りにでも本を一冊買っておいて、雨の日に本を読んだりしてはいかがだろうか。
仕事帰りに本など買うひまはないなどという方は(本屋によることのできる方も)、当「本屋でござ~る」でなにか気になった本でも見つけていただければ幸いである。
掘り出し物もみつかるかもしれない。
(ほえほえ)
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第94回 (2003/05/19)
理想郷
 
大学の中で一番好きだった場所は?と聞かれたら、僕は迷わず図書館と答えるだろう。
勉強する者、暇つぶし(仮眠など)に来る者、待ち合わせ場所に利用する者、そして本を借り(返し)に来る者、様々な目的で人々はそこに集まって来る。
 
僕が通っていた(地方の)大学の図書館は、規模的には映画などに出てくる外国のそれ(ゴーストバスターズのファーストシーンとか…)には遠く及ばないが、3層の吹き抜け構造になっており、2層目、3層目からの眺めは、なかなか良いものだった。
勉強や人間関係に疲れたとき(笑)、そこから下を見下ろすだけで不思議と癒されたものである。
 
もちろん書籍もたくさんあったのだが、僕は4年間通じて2,3冊しか借りた記憶がない。
失礼な話かもしれないが、冒頭で挙げた4つの目的のうち「本を借りる」以外が殆どだったと言える。
僕にとって、そこは友人との交流の場であると同時に、一人になれる場所でもあった。
恐らく、時間の空いたとき(自主休講を含む)に、一番多く過ごしていた場所が図書館だっただろう。
 
さて、都心に就職してからというもの、そこに匹敵するようなお気に入りの場所は未だ見つかっていない。
何かと気疲れの多い現代人には、そのような場所はとても大切だと思う。
「人はそんな場所を探す為に生きている」 と言ったら少々大げさだろうか?
(ダウト(7年間で引越し4回))
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第93回 (2003/05/12)
 楽しいゴールデンウィークも終わり早いものでもう5月、新年度になって1ヶ月が過ぎました。
 そこで心機一転、何か仕事に使える資格でも取ろうかと思い本屋に出かけて見ると資格関連の参考書の数に驚かされました。
 1つの資格に対して数冊から、多いものでは十冊を超えるようなものまであり、世間の人々の資格試験に対する意識の高さと同時にまだ勉強の基本のとして書籍が使われていることを実感しました。
 私も昔から参考書はいろいろと使っていて、思い出せる最初の参考書は高校生のときに、英語の教科書の翻訳が載っていた通称「虎の巻」と呼ばれるものでした。
 私の学校では、授業の予習として授業の範囲の翻訳が必須とされていたため、英語の授業前は「虎の巻」の奪い合いでした。
 そのほかにも、大学受験のときには「赤本」や「青本」、就職活動のときに使った面接対策の参考書やSPI対策の参考書などいろいろとお世話になってきました。
 社会人になった今は、資格試験の勉強などに参考書を使っていますが、それ以外にも趣味や勉強のために色々な書籍を読んでいます。
 皆さんも、人生の参考書になるような素晴らしい書籍を、当本屋でござ~るで見つけてみてはいかがでしょうか。
(POTTER)
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第92回 (2003/04/28)
4月18日付の、『週間ベストセラー20』の第9位に「GOOD LUCK!!」があったので読んでみた。

TBS日曜劇場(昔は東芝、今はトヨタやNTTドコモがスポンサー)の脚本を元にしたノベライズ本ではあるが、本編を見なかった人にも『ぶっちゃけ』雰囲気を味わえる内容である。

木村拓哉演じるコーパイロットの成長物語として読むのもいいし、柴咲コウ演じる整備士との恋物語としても読める。

そういえばTBSは昔から航空会社を舞台にしたドラマを数多く放送しているがその多くはJALがほとんどで、ANAを舞台にしたのは今まで無かった気がする。

ドラマの中で、コクピットを見学できない旨の放送があったが、これは本当。もっとも数年前までは、到着後にコクピット見学できたので実際に写した写真を私は持っている。

堤真一演じる香田キャプテンの様に情報を淡々と放送するキャプテンがいるかと思うと、竹中直人の内藤キャプテンの様なギャグを交えた機内放送(現実にはドラマのようなオーバーなものではないが)もありで結構楽しいものである。

スチュワーデス(CA)も黒木瞳や内山理名の様な女優に似た人を見かけたりする事もあり男性の乗客にとっては楽しみでもあるが、女性の乗客にとってはまだまだ少ないものの男性のCA(CMの木村拓哉の様なジャニーズ系タレントに似た人はあまり見かけないが)楽しみでもある。

今年2003年のゴールデンウィークは休日の配列が悪いので、少ない休日を有意義に過ごすために『本屋でござ~る』の本や売れ筋の書籍、また今年の12月にはライト兄弟が飛行機を発明して100周年になるので、飛行機に関する書籍も読んでは如何だろうか。

『当機は途中気流の悪い場所を通過いたしますが安全に問題はありません。短い時間ではありますがこのフライトを快適にお過ごしくださいませ。 GOOD LUCK!!』

(ジーパン探偵(ANA派))

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第91回 (2003/04/21)

本が売れなくなったといわれて久しいですが、そんな中でコンスタントに売れているジャンルがあります。
それは、テレビゲームの攻略本です。
週間ベストセラーをみてもらえばわかりますが、上位20冊のうち、必ず何冊かは攻略本が占めています。

昔はゲームそのものがそれほど複雑ではなかったせいか、それほど目立つジャンルではありませんでしたが、ゲーム機器が時代を経るごとに高度な処理を可能にし、それに伴い、ゲームソフトも大容量で複雑なシステムが組み込まれていきました。その結果、攻略本なしではクリアどころか操作方法もいまいちよくわからないようなゲームが林立することになり、ゲームの攻略本も分厚くなっていきました。

最近では、攻略記事だけではなく、世界観やキャラクターのゲーム上では確認できない裏設定などを解説した資料集のようなものも出され、こちらも結構な売れ行きがあるようです。

しかし、ここまで大きな市場になったにもかかわらず、一般の書店では隅の方に配置され、大作の攻略本が出たときも最新刊のブースに平積みされることは滅多にないと思います。確かに入り口はいってすぐのところに攻略本が山積みされていたらちょっとひいてしまうかもしれません。カルチャーとしてはまだまだレベルの低いものと見なされているのでしょうか。
ちなみに個人的にはゲームの攻略本は一回クリアするまで買わないようにしています。
さきに見てしまうと、クリアした気になってしまいますので。

                                    
(わんたん)
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コラム 第90回~第81回→

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